[袁紹軍は洛陽を攻略するため 黄河を溯り官渡港を目指していたが…]







 「曹操軍が! 我らより先に洛陽を目指して進軍しているのです!!




 「な、何ですとー!!?」



 「…なぜ前回の引きを再現しているのですか?」



 「いや、何、読者の予習を手伝うためにだな…」



 「まったく、叔父上の気配りには感服しきりでござるよ」



 「ふふん、名族袁家たる者、これ位はな」



 「なにを言っているのやら…」




「そういえば田豊、何でいきなりココに居るのだ?
 前回は居らなんだくせに」




「殿の叫び声を聞き、馳せ参じました。
  しかし曹操の動き、予想外でしたな」



 「確かに虚を突かれました。 どう対処した物か…」



 
 「難しそうな顔をしておるが、
  何がそんなに大変なのか、私にはイマイチ分からんのだが」



 「え!? 何を仰います、先ほどあんなにも驚かれてたじゃありませんか」



 「まあ…あれはノリというか情景反射でちょっとな…驚いてみただけだ」



 (こ…この人は何を考えているのか…)



 「……では殿は、今回の曹操の動きをどの様に見ているのですか?」



 「う〜ん、反董卓連合の一員として、我らに手を貸そうとしている…とか?」



 「………はぁぁ…」



 「ちょ、 ちょっと何事だその溜息は!」



 「いいですか?曹操軍がもし先に洛陽を攻め落としたら、我らは目的を見失い
  手持ち無沙汰で平原へ帰還する事になってしまいます。
  まさか同盟中の曹操軍を攻撃する訳にも行きませんからな」



 「むむむ…それは確かに…」



 「それだけではありませんぞ。我々の有している兵糧…
  これは平原から洛陽までの片道分の量しか持って来ていません。
  これがどういう事か…お分かりになりますか?」
  


 「そ、それでは…もし我らが洛陽に入れなかったら」




「我らが率いている総勢2万8千の兵は、餓死するか、逃亡するか…
 どちらにせよ綺麗さっぱり居なくなるでしょうな」




 「なんたる事だ! い、一大事ではないか!!」




 「我らの置かれている状況を理解できましたか?」



 「分かったも何も… こうしちゃおれん、何としても曹操より早く洛陽を落とさねば!」




 「とは言っても、我らはまだ船の上…どう考えても陸から進む
  曹操軍の方が、先に洛陽へ到着してしまいそうですが…」




「今の洛陽には大した守備兵も居ない筈…
 簡単に曹操軍に占領されてしまうでしょう」



 「な、なんと… 一体どうしたら…」



 「ご安心ください殿」



 「ん? 崔エンか、何か妙案があるのか?」




 「いえ、妙案と言う訳ではありませんが、良い知らせです。
  実は今、洛陽には董卓軍の兵が2万ほど駐屯しているらしいのです」



 「なんと!」



 「おお! それは真か!」



「つい先程届いた情報です。 董卓軍の将軍、朱儁を中心とした数人の将が
 2万の兵を率いて洛陽を守備しているようです。 
 これならば、幾ら曹操軍でもそう簡単には落とせないでしょう」



 「おお…天はまだ我々を見放してはいなかった!」



 「これならば、まだ我々にもチャンスはありますぞ!」



 「よし! 官渡港に到着したら、我らも全速力で洛陽を目指す!」



[それから数ターンが過ぎ 袁紹達は官渡港へ到着した]



 「ふぃ〜 やっと到着か、長い船旅だったぜ」



 「こうしてみると、改めて地面が有る事にありがたみを感じるでござるな」



 「まったくだぜ…俺ぁもう二度と船に乗りたくねぇ気分だ」



 
「ほれほれ、休んでおる暇は無いぞ。
  もう曹操達の攻撃が始まってるかも知れん」



 「準備ができ次第、直ちに進軍しましょう」



[袁紹軍は官渡港から洛陽を目指し進軍 そして虎牢関に差し掛かる…]



 
 「洛陽から黒煙が昇っておる…」




 「曹操軍が攻城を行なっているせいでしょう」



 「伝令によると、曹操軍は夏侯惇将軍を筆頭に、夏侯淵楽進李典など
  一流の将が合計2万の兵を率いて攻撃に参加しているようです。
  董卓軍もこの攻勢には耐えられず、既に崩れかかっているとの事…」



 
「兵力では互角なのにそこまでの差が出るという事は
  やはり両軍の将の能力に圧倒的な差が有るという事でしょう」



 「曹操軍恐るべしでござるな…」



 
 「夏侯惇を筆頭に…と言う事は、曹操は軍を率いていないという事か?」




 「その様です。 全軍の指揮は夏侯惇将軍が執っているのでしょう」



 「そうか、奴とは積もる話もあったのだが…」



 「何を呑気な…」



 
「で、これからどうすんだよ。
 何の考えも無しに洛陽へ突っ込んじまって良いのか?」



 
 「うむ…田豊よ、我らが曹操軍を出し抜き、
  洛陽を占領するためにはどうしたら良いと思う?」



 「洛陽を占領する権利は、洛陽にトドメの一撃を与え、陥落させた勢力にあります。
  曹操軍が洛陽を攻撃し、洛陽の兵力をギリギリまで削った所を見計らって
  我が軍が洛陽に攻撃を加えれば…」



 「なるほど…しかし火事場泥棒みたいで、なんかヤダな」



 「殿…作戦の選り好みが出来る状況では…」



 
「はは、冗談だよ。 我らは何としても洛陽を落とさねばならん。
  曹操には悪いが、奴の軍を最大限に利用させてもらうとしよう」



 「そんじゃ、田豊が提案した策で行くんですな?」



 
 「うむ」




 「光栄でございます。 …では、ご指示を」



 「よし、 全軍、洛陽を目指し前進、 洛陽を囲むように部隊をを配置せよ。
  ただし私の指示があるまで、一切攻撃を行うなよ。
  この戦いに我らの命運が掛かっておる、 皆の奮起に期待する!!」





「おおっ!!」



[そのころ 洛陽では…」



 「おいおい宋憲。 朱儁のジジイ、また出撃したみたいだぜ」



 「ホント馬鹿だねぇ、どう見ても勝ち目が無ぇってのに」



 「大体、洛陽なんざ一度廃墟にしちまってるんだ。
  曹操にくれてやったって何も惜しくねぇだろうに、
  何で俺達が守備なんか…」
 


 「知らねぇよ、またウチ等の大将の気まぐれだろ」




 「ま、いいや 気まぐれでこの都市を任されてんだから
  適当にやってて問題ないだろ。 戦うのはあのジジイだけで十分だぜ」



 「ふん 侯成、テメェはいつも適当だろうが」



  「ふははっ  ちげぇ無ぇ!」



[〜洛陽周辺〜]



 
 「やぁやぁ 我こそは、安国将軍 朱儁なり!
   神聖なる洛陽の地を穢す賊軍共め、ワシが成敗してくれるわ!」




 「おいおい…惇兄、またあの爺さんだぜ」



 「たった一部隊で…一体何を考えているのでしょうか」



 「ふっ 根性のある爺さんじゃないか。
  俺達に何度叩きのめされても、へこたれず出撃してくる…
  流石、歴戦の古強者と言った所か」


  
 
 「ったく、何度やられりゃ気が済むのか…」




 
  「安心しろ淵、もうすぐ洛陽は落ちる。
   お前はあの爺さんを適当にあしらっててくれ」



 
 「ま、しょうがねぇな。 じゃあ惇兄、洛陽は任せたぜ。
  楽進、行くぞ! 俺について来い」



 「待ってくだされ夏侯淵殿! 虎牢関の方からの正体不明の軍が…」



 「あん?なんだありゃ」



 「あれはもしや…」





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