[袁紹軍が本格的に動き始めてから数ヵ月後・・・]






「よっしゃ 皆の者、評定を開始するぞ〜!」





「お〜…」



「ん?どうした皆の者、覇気が無いのう」



「殿が我々を酷使しすぎなんですよ…
 私などこの数ヶ月間、朝から晩まで鍛冶や兵舎、工房などを建設するために
 ほとんど不眠不休で奔走しておりましたぞ…」




「ふん、自分だけが苦労したなどと思うなよ田豊。
 私だって毎日毎日、人材を探すため西へ東へ…」





「確かに皆疲労しておりますが、そのおかげで我が軍の軍備は整いつつあります。
 皆の努力は決して無駄では無かったかと」





「そうか、皆の者良く頑張ってくれたな。もう大分内政も整ってきた事だし
 これからは少し楽が出来るぞ」




「いえいえこの程度、乱世にあえぐ民達の苦しみに比べれば…」




「うむ!良くぞ言った! では皆の成果を聞かせて貰おうかな。
 まずは田豊、内政の仕上がり具合はどうかな?」



 
「はい、先ほど袁煕殿の言った通り軍備は整ってきております。
 槍、戟、弩はそれぞれ1万、軍馬は7千騎を揃えました。
 しかし、そのお陰で金はスッカラカンですな」





「な!? す…スッカラカンとな?
 おいおい大丈夫なのか我が軍は…」



 
「まあ市場も高レベルの物がいくつか建設されておりますし。
 これからの収入に期待ですね。 しかしスッカラカンですから…
 兵糧を売却するなどして対応するのがよろしいかと」





「そうだな…まだ攻城兵器も作ってないし、兵も足らん。
 田豊、早急に兵糧売却の手筈を整えろ」




「はっ、直ちに」



「うむ、じゃあ審配よ、人材の方はどうなっておる?」




「何人かの人材は発掘しましたが、その中でも我が袁家に相応しい者二人を登用しましたぞ。
 これ、李孚(リフ)、牽招(ケンショウ)、入って来なさい」



[ガチャ]



「お初にお目に掛かります。某は李孚と申す者です。
審配殿に説き伏せられ 、参上致しました」




  「拙者は牽招と申す。非才の身ですがお使い下され」


 

「ほう!二人ともなかなか精悍な顔をしておるのう。
・・・で審配、この二人はどう使うべきかな?」



 

「李孚は内政の才があります。牽招は文武共になかなかの物を持っており
 将軍として期待できます」



 

「ハハハ、頼もしいのう!李孚に牽招と申したな。
 我が袁家へようこそ参った!各々の奮起に期待するぞ」




「お任せ下され!!」





「うんうん どうやら我が軍は着々と力を付けている様だな。
 後は攻城兵器を作り、兵士を集めれば完璧だ」



 

「ですな。兵糧を売却したら、早速私が攻城兵器の製作に取り掛かりましょう。
 後は徴兵を行う人材ですが…」



 

「うむ、徴兵は私自ら行おうと思う。我が名族のオーラで
 一気に数万人の兵を集めてみせるわ!」




「おお、殿自らとは!これは期待が持てますな!」



  「ハッハッハ!任せておけい!」



「殿、一応言っておきますが金の残量には注意して下さいよ?」




「解っておるよ。金が足らなくなったら兵糧を売却すれば良いんだろ?
 楽勝楽勝!」





「え? いや兵糧も無限ではありませんので… 金の収入が安定するまで
 過度の徴兵は控えて…」





「なにをごちゃごちゃ言っておる。評定はこれにて終了!
 私はもう行くぞ!審配、顕奕、供をせい!」




「喜んで!」


[ガチャッ タッタッタッタ]


「だ、大丈夫なのか…?」




[袁紹は兵舎付近にやって来た]



「さて、徴兵の準備を…ん?あそこに居るのは顔良と文醜、それに高幹ではないか」



「何をやっておるのでしょうか…」



「うむ、ちと聞いてみるか。お〜い!三人集まって何をやっておる〜?」




「おお、殿ではありませんか。いや、高幹殿から稽古をつけて欲しいと頼まれましてな。
 今文醜が相手をしてやっている所ですよ」



[ガガッ! ドガッ!!]



「そらそら!どうした、それで終わりか!?」



「ぐぐ・・まだまだでござる!もういっちょ来いでござる!!」


 
「ほう、良くぞ言った!ではもう一本行くぞ!」

「おぉぉらあっ!!」




[バキィ!!]



「ぎゃふんでござるううぅぅ!」



「おお、高幹が空を飛びよったぞ!」



「違いますよ父上、あれは高幹殿が文醜殿に吹っ飛ばされたんです。」




「冷静に分析している場合でも無いと思うのですが・・・
 しかし文醜め、何たる馬鹿力だ…」



[ドサッ]



痛い・・でござる・・・




「おお!高幹殿、大丈夫か!?
 おい文醜!お前加減と言うものを知らんのか!!」





「ふん、本気でやらなければ稽古にならんだろうが。
下手に手加減をしても高幹殿に失礼だしな。」





「…文醜殿の言うとおりでござる…
 顔良殿・・・お心遣い、感謝するでござる…」




「いや、良いものを見せてもらったぞ二人とも」



「おお!殿、いつからこちらに?」



「伯父上…ご無沙汰しているでござる…」




「これから審配たちと兵を集めようと思ってな。
 しかし高幹、文醜と手合わせするとは勇気があるのう!」




「全くです。私もその根性を見習わなくては…」


 
「いや、お恥ずかしい所をお見せしてしまったでござる…
 拙者、武力の鍛錬にどうにも煮詰まってしまい
 文醜殿に力をお借りしたのですが…結果はこの通りでござるよ」




「まぁ、まだまだ努力が足らんな」



「文醜!お前と言う奴は…」



「よいよい顔良、高幹が望んだ事だ。高幹も満足であろう」




「その通りでござる。文醜殿
 手合わせして頂き、まことにかたじけのうござる」





「はっはっは!高幹殿にその気があればまた何時でも来るが良い。
 いかなる時も全力でお相手いたすぞ!」





「おお!まことでござるか!?
 拙者、次こそ一本とって見せるでござる!」



 

「高幹もさすが我が一族だな、ナイスガッツだ!」
 



 「ありがたきお言葉でござる」


 「そして文醜の武も見事の一言よ!
  …あ そうだ、これから私達は徴兵を行うのだが・・
 集めた兵達の訓練を顔良と文醜に頼んじゃってもいいかな?」




「もちろん!全力で任に当たらせて頂きます!
 文醜もいいな?」




「おうよ!中華最強の兵に仕上げて見せるぜ!」



「頼もしいのう!これだけの猛者が居れば我が袁家は安泰だな!」




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